視力の伝えかた
眼科に呼ばれると英語で視力を伝える場面に遭遇します。例えば視力1.5とか視力0.3とか小数点表記は日本独自の表記法で、そのまま英訳することはできません。分数表記に換算してあげる必要があります。例えば視力1.5の場合は6/4(six four vision)となります。ちなみにこれはメートル法の表記になります。患者さんがアメリカ合衆国、リベリア、ミャンマー出身の場合はヤード・ポンド法になるため20/13(twenty thirteen vision)と言ってやる必要があります。(それにしてもヤード・ポンド法がここまでマイナーになっているとは知りませんでした。) この換算については毎回考えるのが面倒、というか医療通訳の現場で計算している暇もなし、眼科医に聞いてもすぐに換算値が出てこない、ということで換算表を自作してみました。
JapaneseNotation | FractionalVisualAcuity(yard-pound system) | FractionalVisualAcuity(metric system) | YourFeet(yard-pound system) | YourMeters(metric system) | StandardFeet(yard-pound system) | StandardMeters(metric system) |
---|---|---|---|---|---|---|
2 | 20/10 | 6/3 | 20 | 6 | 10 | 3 |
1.5 | 20/13 | 6/4 | 20 | 6 | 13 | 4 |
1.2 | 20/16 | 6/5 | 20 | 6 | 16 | 5 |
1 | 20/20 | 6/6 | 20 | 6 | 20 | 6 |
0.7 | 20/28 | 6/9 | 20 | 6 | 28 | 9 |
0.5 | 20/40 | 6/12 | 20 | 6 | 40 | 12 |
0.3 | 20/66 | 6/20 | 20 | 6 | 66 | 20 |
0.1 | 20/200 | 6/60 | 20 | 6 | 200 | 60 |
0.01 | 20/2000 | 6/600 | 20 | 6 | 2000 | 600 |
この記事を書いてて思いついたのですが、換算システムをスマホアプリ化して無料で配ってみようかなと。患者さんの出身国をまず選択し、それによってメートル法かヤードポンド法かが自動選択され、空欄に日本表記の視力を入力すると換算値及び英語表記(更には英語発語も加えられたら格好いい)が出るという仕組みです。ちょっと作ってみますか。
→作ってみました(2019-07-29追記):
ところで換算値を伝えたとしてもそれがどういう意味なのか患者さんが分からないというパターンも考えられます。その場合は次のように伝える想定でいます。
1)視力1.0が基準値です。 2)基準値の視力とは、20フィート(6メートル)離れた場所から1/3インチの文字を認識できる能力です。 3)例えばその人が視力0.5(20/40(6/12) vision)の場合、その人は1/3インチの文字を認識するためには20フィート(6メートル)まで近づかなければなりませんが、基準値の視力を持つ人ならそこまで近づく必要はなく、40フィート(12メートル)の距離で同じ文字を認識することができることになります。
(英訳) First, 20/20 (6/6) vision is a standard visual acuity. Second, 20/20 (6/6) vision is an ablility to recognize 1/3 inch letter from 20 feet (6 meters) distance. Third, for example, when you got 20/40 (6/12) vision, you would have to get closer to the same sized letter within 20 feet (6 meters) distance to recognize that, on the other hand the person who has 20/20 (6/6) vision doesn't need to do that. He or she can recognize the letter from 40 feet (12 meters) distance.
これで分かってもらえるといいんですが。次呼ばれた時に試してみます。