X Japan計画

悪化する東アジア情勢で冷戦期の用語が復活?

日韓関係が悪化し、韓国によるGSOMIA破棄に揺れる東アジア情勢。米軍の韓国撤退が噂される中冷戦期に有名になった米国の東アジア防衛戦略でありいわくつきの”アチソンライン”の復活が現実のものになるかも知れない、という言説が登場してきました。大学で国際政治を専攻していた自分としては非常に懐かしい用語です。

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紹介した記事にも説明がありますが、このアチソンラインというのは、冷戦当時アメリカの国務長官を務めていたディーン・アチソンが米軍の防衛戦略を同盟国に説明するために「アリューシャン列島・日本・沖縄・フィリピンに対する軍事侵略には断固として反撃する」と明言したものです。このことで「アリューシャン列島・日本・沖縄・フィリピン」のライン(第1列島線)よりも大陸側に位置していた朝鮮半島については米軍の防衛ラインの埒外であるという印象を当時敵対していた東側諸国に与えてしまい、朝鮮戦争を誘発してしまったとまで言われています。

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アチソンライン
ここでの教訓は、「交渉ごとをする際は明言を避ける」というものでしょう。私も社会人になってから、このアチソンラインのことを思い出して慎重に行動したことで惨事を免れた経験が何度もあります。

日本の新国家戦略

米軍がアチソンラインの第2列島線(小笠原諸島・グアム・サイパンパプアニューギニア)に後退する可能性は現実味を帯びてきています。そうなると日本は大陸に対して最前線で対峙するポジションになります。このような状態で対米存型の防衛体制を踏襲し続けていていいのでしょうか?日本が自主的に防衛体制を強化すべき時期が来ていると思います。そこで提案したいのは、日本が第1列島線と第2列島線をそれぞれ北方に延伸させたX列島線に対して積極的な防衛体制を敷くというものです。

・アチソンラインの第1列島線を千島列島まで伸ばす

・アチソンラインの第2列島線を樺太まで伸ばす

・両ラインが交差した状態、つまりXの文字が現れる

・このXラインの権益を確保するという防衛戦略をX Japan計画とする

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X-Japan
各列島線を北方に延伸する訳ですがから、当然ロシアとの対立も招くことでしょう。ここは対露外交で何とかすべきです。北方領土が返還されれば日露軍事協定も視野に入ってくると思います。

第2列島線の南方でグアムの米軍と、第1列島線の北方でアリューシャン列島の米軍と、それぞれ連絡します。こうすることで日米同盟はこれまでと同様に強固なものとなるでしょう。日本固有の国益としては第1列島線南方のシーレーン確保です。グアム・アリューシャンで米軍と共同する見返りに、米軍にはこの方面(第1列島線南方)に関心を持ってもらうことができると思います。

私は19世紀以来の富国強兵・国民国家システムには強く反対しています。このようなシステムに依存している内は、いつ第三次世界大戦が到来してもおかしくはありません。しかし、あくまで純粋に地政学的な考察をすれば、今後日本が取り得る防衛体制はこのような列島線に依存した不後退戦略以外に無いとも考えています。それに何より分かりやすいことが重要です。地図を見れば明らかにX字型になっており、過去の人気ロックバンドの影響もあって人口に膾炙しやすいでしょう。

また軍事予算の確保という問題も度外視しています。X Japan計画を実施するには海軍力の拡充が不可欠ですが、日本経済が後退し、社会保障費も増大する中で軍事予算を従来より増やすことは簡単なことでは無いでしょう。しかしMMT(現代貨幣理論)を取り入れて政府支出を増やすことができれば十分実現可能であると考えます。